島四国が行われました。
こんにちは、ふじまき@弓削です。みなさま、お花見はされましたか?
ようやく咲き始めた桜も、愛でられる時間は短く、島の桜もハラハラと風に舞い始めています。
4月11日、15日、各島で島四国(お大師さん)が行われました。
「瀬戸内海の島々の中には、四国八十八ヶ所にならって、島の中のあちらこちらに八十八体の弘法大師像を置いて信仰している。生名島にもあって、振り出しは正福寺で終わりは大日寺である。旧暦三月二十一日は「お大師さん」で、村人は袋を提げてお大師めぐりをしてお接待を頂く。お接待は炒り豆、金柑、あられ、おにぎり等だったが、今ではお菓子が多くなった。お接待はありがたく頂くもので、断ったら罰が当たると言われている。」(生名村誌編纂委員会『生名村誌』, 生名村, 2004, P829 )
生名島、佐島、岩城島では、旧暦の3月21日にあたる4月11日、弓削島では、4月第3日曜日にお参りが行われています。
初めてその様子を見たのですが、お参りというよりか、「イベント」として大人も子どもも楽しんでいるような雰囲気でした。
スタンプラリー。宝探し。オリエンテーリング。
みんな袋(お接待でいただいた物を入れるため)とお賽銭を持って、朝早くからスタートします。
といっても、今はほとんど車でお接待のあるところだけを回るという形で、88箇所を歩いて回るという人は、ほとんどいないようです。
お接待でいただけるものは、今はお菓子が中心です。
手作りのものを準備するのは、とても手間がかかります。お接待をする方の高齢化も進み、だんだんと簡略化されているのが現実です。
でも、子どもたちに「お接待でもらって嬉しいものは?」と聞くと、「ゆでたまご!」という返事。
やっぱり手作りのものの方が気持ちが伝わるのかしら?と思って、なんだか嬉しくなりました。
今では数少なくなった「ごはん」のお接待がある場所では、この日、たくさんの笑顔に出会うことができました。
白飯にたくわん。シンプルだけど、お天道さまの下、みんなでいただくから美味しいのです。
準備は、とても大変です。朝4時から仕込みをしていたというお姉さま方。炊くお米の量も、ハンパないです。
大きな釜が、いくつも並びます。「裏方だから、写真はいいわ~」と言われましたが、こんな青空キッチンもなかなか素敵ですよね。
狭い台所に、ベテラン主婦が集まれば、それはもうすごいパワー。手も口もよく動きます。
だんだんと少なくなっているようですが、準備をする空間にも、もてなす空間にも、笑顔と笑い声がある。
そういう場に触れさせてもらうと、単純にいいなぁと思います。
お接待の本来的な意味合いが、だんだん変化しているとしても、今も、それが続いていることはすごいことです。
地域づくりのへそになる場所です。