腰が痛い。
腰痛の島おこし協力隊、西尾です。
腰が痛いのだけど、休むことができません。蜂針でも刺してみようかと思うくらい治りません。
さて、このごろは何をしているかといいますと、蜂場で捕獲した日本ミツバチを捕獲体制から飼育体制へ移行したり、西洋ミツバチにあたらしい女王蜂を導入して増群したり、蜜源花を栽培したり、養蜂園地を整備したり…あとは、これから古民家の改修が進み始めますので、その準備なんかもしています。
また、島の蜂友さんのお手伝いもそれなりにやっています。西尾に相談してもうまくいかなかったということになったら残念じゃあないですか。
ということで、ひとつひとつどんなことをしているか、ご紹介します。
まず、日本ミツバチの捕獲ですが、町内にお貸しいただいている蜂場の捕獲用巣箱を毎日夕方以降にチェックしに行きます。余力のある日は、蜂友さんのもチェックしておきます。これだけで大変なんですが、分蜂群が入居している日はもっと大変で、その巣箱を当日の夜(子供を寝かしつけた後)、捕獲場所から飼育場所へ移動する作業をしなくてはなりません。2日目以降に移動すると、うんと逃去率が高くなるからです。
ミツバチは居住地を数センチ単位で正確に覚えるくらい頭がいいので、移動するときはミツバチの生活圏と重ならないように、2~3km離してやります。そうしないと、もとあった巣箱の位置にたくさんの戻り蜂が発生してしまいます。
夜中10時頃に山道を歩いて蜂場へ向かうときは、ちびまる子ちゃんの歌をぴーひゃらと歌いながら歩いてゆきます。イノシシ対策です。
そして、ミツバチの出入り口をネットで覆い、助手席に乗せて、なるべく振動しないよう低速で走り、遠くの飼育場所へ運びます。移動した後は同じ場所へ巣箱を置いておくと、また別の群のミツバチが入居してくれます。夜の作業で1時間30分くらいかかります。2群入っていると、2時間では済まないこともあります。イノシシとミツバチへの配慮、気疲れで、帰ったらクタクタですよ。
そういう調子で、分封の繁忙期は毎日休みがありません。
飼育場所で2週間ほど置いておくと、新しい巣での女王蜂の産卵が始まっており、産卵を開始した群も逃去しにくくなります(わが子を想う親の気持ちですね!)ので、ミツバチが育児を始めたタイミングで巣箱の入れ替えやその他の作業を始めます。お出かけから帰ってきたミツバチが後ろ足に花粉をつけていることが、育児をしていることの合図です。
これがひとつ。
ふたつめ、西洋ミツバチの増群ですね。
西洋ミツバチを20,000匹の満群で購入すると7~80,000円くらいします。とても買えませんよね。そこで、もっと小さな授粉用ミツバチ群(6,000匹)くらいの群を25,000円くらいで買って、そこへ新しい女王蜂を導入してゆく方法をとると、グンとコストが抑えられるのですね。ちょっとした裏技的な感じです。
女王蜂1匹は優良種で12,000円くらいです。これを、6,000匹の群が10,000匹くらいになったころで1匹購入して、5,000匹の2群に分割し、女王蜂のいない方へ導入してやります。最初は匂いの違いから働き蜂が新女王蜂へ攻撃をするので、王籠とよばれる隔離籠へいれておき、3日ほど匂いをなじませてから導入してやるとうまくいきます。
そこから蜂群をどんどん大きくし、3万匹程度の群を作って、それをまた5,000匹×3群に分割し、元群を15,000匹程度にしながら増群活動を進めてゆきます。これがまた、群数の少ないうちは神経を使う作業でもあるのです。失敗すると群数が減りかねない作業となるからです。
みっつめ、蜜源花の栽培ですね。
夏場になると、花を咲かせる植物の数がすっかり減ってしまいます。花がないということは、自然界での流密が少なくなり、蜂たちにとっては厳しい季節になるのです。そんななかでも元気に蜜を吹くような花を咲かせることで、自然生物の暮らしをアシストしてやることができます。
その代表選手が、サルスベリやヒマワリなんですね。
夏の猛暑気にも元気に花を咲かせてくれるので、人にとってもうれしいお花!ですから、いまはこれらの密源花をたくさん栽培しているのです。花にはお休みも出勤日もありませんから、毎日水やりをしにくるのですが、これもなかなか大変なのですね。
よっつめ、養蜂園地の整備
これはちょっと逃げ道的な言い方なのですが、養蜂というのは、自分の借りている土地でなくとも巣箱を置くことができるので、蜂を置かせてもらうということであれば畑でも山林でも宅地でも構わないのです。そして、土地の貸借も不要です。ただし、口頭で構わないですから、地権者の許可は取っておく必要がありますよ。そして、所在地を明記した飼育届けを提出して、飼育するようにしてくださいね(誰の許可もなく設置する行為は違法です)!
※他県の場合、土地の利用許可などを紙面でとる必要がある場合があります
養蜂家は、飼育する以上、蜜源植樹の義務がありますから、そういう意味でもお花を植えてゆく必要があります。頑張ります。
さいごの、古民家の改修は…頑張るのみです。
あぁ、腰が痛いけれど、頑張ります。