興味の器、夢の樽桶

こんにちは、上島町島おこし協力隊の西尾です。

興味の器は、夢の樽桶なのでして、今日は、うれしいお話です。

おおよそ半年前のこと。

「蜂やりよんの~?やり方教えてくれや~。」

「巣箱はどんなんがええん~?」

新たに生まれてくる蜂友さんとのこと。そんな未熟な会話だったものが、この半年間、醸されて、醸されて…。

「蜂がかわいく見えてきた!」

「蜂蜜、すげーうまいわ!売ってるんとは全然違う!」

「分蜂して3日後に新しい王台ができとるんはどういうことなん~?」

…成熟しました。たった半年です。

ちらりと示された小さな興味、小さな器は、実は夢の樽だったのですね~。いやー膨らむ膨らむ夢の物語。熟されて、醸されて、大きな夢となって広がってきています。

「巣箱1箱、2万~!?3万!?よう買わんわ~」

やったのが

「お金入ったら2箱買おうわ~」

「あと5箱買おうわ~」

…すっかり変わってきました。こんなにうれしいことはありません。

やろうと思い立って半年、蜜が採れているんです。「幻」とも言われる日本蜜蜂の蜂蜜。そして、その方たちはきっと、悠々と越冬をこなし、ダニ駆除剤や病気のお薬とは無縁にミツバチを管理し、春の分蜂で増群し、どんどん採蜜を増やしてゆくことでしょう。

大体、怪しげな私の謳い文句を頭から信用してくださり、勉強も熱心にしてくださったことが私の心を救ってくれているのですけれど、そうまでしてくださったことを考えると、飼育者としても、蜂さんにとっても、きっと最高の趣味養蜂家になってゆかれることと思います。

日本蜜蜂を初めて捕獲するのに2~3年はかかる、な~んて言われるものですし、それに加えて興味を持ってからいざ巣箱の準備を始めるまで、1年、2年かかるもんですから、…3~4年はボウズというのが当たり前の世界で、なんとも快挙ではないでしょうか。

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「蜂と神様/金子みすヾ」

蜂は お花のなかに

お花は 庭のなかに

お庭は 土塀のなかに

土塀は 町のなかに

町は 日本の中に

日本は 世界の中に

世界は 神さまのなかに

さうして さうして 神様は

小ちやな 蜂の中に

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蜂から広がる夢の世界のお話でした。

ところかわって、花の島構想。

花の島構想で始めたサルスベリ苗の配布に挿し木増殖。

「サイクリストに喜んでもらえそうやけ、畑の隅に植えようわー。」

「サルスベリがいっぱい咲いとったらきれいやろねー。」

これまで、ルールに従って進めてきたことが吐故納新、一度姿を変えてみると、気持ちが乗ってくるようで、がらりと変わりそうな気配です。

「挿し木ってのができるんや~」「効率よくいっぱい増やせるね~」

「島に来た人が、いっぱいサルスベリが植わってるのに気づいてくれるくらい植えれたらええね~」

そうやって、「花の島」も変わって、実ってゆくように、心の底から応援してゆきたいと思います。

はてさて、またまた、またもや、はたまた、話は変わって、本格的な梅雨に入りました。

養蜂家には、雨だからどうとか、一切関係ありません。

やらなくてはいけないことは自然とスケジューリングされます。晴れ間を見て巣箱を開く。それができなきゃ務まらんということで、あーります。

蜂も家族、家内工業者です。1000万人、2000万人の従業員を従えて働くのが養蜂家というもんです。持ち場を離れることのできないワーカー達ですから、経営者がしっかり、入念に、職場環境をチェックしてやらねばなりません。

蜂も人間も、気持ちよく暮らしましょうや。

そういうことなんです。

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