地域課題に向けた準備
こんにちは、上島町島おこし協力隊の西尾です。
秋支度が忙しくなってきました。
今週は、弓削、魚島の狩猟登録申請の取り纏めを行い、月末までに島部猟友会へ提出しなくてはなりません。このスケジュールに毎年、ゆとりがないのです。
そんななか(なのに)、令和2年8月に更新された「地域おこし協力隊推進要綱(総務省 )」を読んでいました。私がいま携わっているのは
・ 農林水産業従事(耕作放棄地再生、畜産業支援 等)
・その他(野生鳥獣の保護管理 等)
つまり、農業、畜産、鳥獣害の3点。それだけではありませんが、それは置いておいて、 農業、畜産、鳥獣害。「担い手不足」の筆頭でもある3点盛りですね。
さて、この「担い手不足」=「地域課題」 。
「担い手不足」 =「地域課題」 だからこそ解決したいはずですし、誰かがやらないといけないのですが、わかっているのになぜ 「担い手不足」=「地域課題」 は解決されないのでしょうか。
それはとても簡単なことで、ウマい商売ではないからなんですね。「儲からない」のです。※土地の規模とか担い手の数で変わりますが…
「地域課題」「担い手不足」=「ビジネスチャンス」と言いたくなるのですが、探しても探しても「チャンス」と言えるような世界は「見つからない」のです。
そこは私も最初、困りました。地域課題へしっかりコミットしたくても、子供2人を抱えて暮らしてゆくだけの収入が得られるか、不安なまま進むものでもないなと。仮にそれが原因として地域に残れなかったら…。
そのような生命線にもなりうるということなんです。
そして、さらに言うともう一点、「儲からない」だけでなく「理想とのミスマッチ」があります。
私、農業をやるなら、無農薬、無肥料、不耕起、少量多品種の野菜作りを志していたのですが、当の「地域課題」はそうじゃないんです。そもそも作り手がいないものですから、まずは数を出荷したいんです。出荷したいものは「レモン」「みかん」つまり特産品です。(しかも理想の有機農業はもっと儲からない。)
特産品をしっかり収穫する、出荷する。農薬や肥料を否定せず真面目に撒いて、その分しっかりと出荷する。そういう農業が求められています。
この「理想とのミスマッチ」は信条として、どうしても埋められないんですよね(きっとみんな、そうですよね?)。だからやっぱり、 無農薬、無肥料、不耕起、少量多品種の想いのままなんです。
それでも、地域おこし協力隊として?なのか、移住者として?なのかは人それぞれだと思いますが、(そしてアプローチも人それぞれですが…)献身的にこの「地域課題」には取り組んでいきたいと考える方が多いと思います。そのためには、わりと安定した主な収入が必要になります。先に主な収入があれば、むしろいろんな地域課題に対して 積極的にアプローチしてゆけるのではないかと思います。
地域課題はこれからも同様に続いてゆくでしょうから、どれだけ長くこの「課題」とお付き合いしてゆけるか、なんだか今はそのための準備期間で、5年後、10年後に本当の課題解決ができるのかな、なんて考えています。