いい家

こんにちは、上島町島おこし協力隊の西尾です。

先日、緑が丘団地の会長として地区長を対象とした防災セミナーに出席しました。その中で、日本という国がどれくらい災害の多い国であるかについての解説がありました。

インターネットで調べてみても、災害数、平和度指数、危険度、大体の指標において日本はワースト5以内に入っているようです。

そんな国ですから、大きな災害が起きるたびに家がつぶれ、リフォームや新築の家が立つなどつねに危険と隣り合わせの状態にあり、暮らしにまつわる不安というのがぬぐいきれない国でもあるのだと実感しました。

私たちの世代はきっと、日本で最も恐ろしい災害は震災であると感じており、その2次災害である津波のことをよく意識していると思います。その中でもここ、瀬戸内海は非常に穏やかな気候で住みよく、大きな地震や津波が少ない地域ですが、平成30年7月には大変な豪雨災害に見舞われました。

それでは、私たちが家を建てるとき、どの程度の災害に耐え、その地域の気候でどの程度の寿命をもつ家を建てると安心なのかということをはっきりと言える方はいらっしゃいますでしょうか。きっと、難しいことだと思います。

そのために私たちは、耐震性のためにどのような施工をしてほしい、どのような素材が良い、そのために必要な資金はいくらかということを、考えることができないのだと思います。考えることができないと、伝えることもできません。

今回、一部のセルフビルドを含むリフォームを通して、建築についてどのように考えてあげることが良い家につながるのかということを考える良いきっかけとなりました。これは、もともと建材関係の仕事をしていた私にとっても、ごっそりと考え方を改めさせられるきっかけになりました。

私が考えている良い家とは、次のようなものです。

1,000万円かけて建てる新築、1,000万円かけて改修する古民家、そこに大きな差はありません。ただ、建て主が家のことを大切に考え、住む人のことを大切に考えて建てられているかということです。

ある方が、「家も食べ物と同じくらい大事やけど、なかなかそこには気づかへん」と、漏らしていらっしゃいました。なるほど、と思いました。

もし仮に、「家も食べ物と同じくらい大事」という意識があれば、そこにかけるお金や素材のこと、レイアウト、それぞれに関する意識が変わってきます。

食べ物が人間の各器官を作る素材であるのに対して、建物を構成する素材の一つ一つは、建物が生きるための器官であると言えます。

人間の場合、毒出しの上手な体は、バランスの良い食事から得られるものです。

腐朽しないための建物は、そこに湿度が滞留することなく、いつもからりと乾いた環境でなくてはなりません。器官それぞれがどのように働いてくれるかによって、家の健康状態は変化します。

また、住む人のことも考えてみましょう。

心地よい体とは、いつも軽くて爽快で、頭の中がはつらつとした状態でしょう。

心地よい住処とは、暑くなりすぎず、寒くなりきらない、適温を保った家です。

素材や構成に関する重要性をどの程度のものと位置づけるか。

食べ物よりも上なのか下なのか、美容よりも上なのか下なのか、ファッションよりも、趣味よりも、どうか。そういう風に見てみると、家作りってとっても大切なことのように思います。

少しずつその人なりの良い家の答えが見えてくると、目に見えない耐震施工、調湿、保温、電磁波のことなどへの答えも見えてくるように思います。それらのひとつひとつが、私たちの暮らしに大きくかかわってゆくことになります。

私たち日本人は、常に災害に備えなくてはなりません。家は大きな災害を受けてもなお、安心して住める場所でなければと、その準備を、と思うのです。

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