落ちてゆく近畿の少年
1次産業の「安心」って、どのような状態かわかりますか?
むずかしいですよね。
100本のレモンの木があれば安心なのか、1000本のレモンの木があれば安心なのか。
1反のミカン畑があれば安心なのか、1町のミカン畑があれば安心なのか。
1町のミカン畑のミカンが3年生だとどうとか、20年生だとどうとか。
そういうのは大体、農家さんは知っています。
では、養蜂家の安心とは、どんな状態でしょうか。
どれだけ飼育し、いくつ蜂場があれば安心なのでしょうか。
よく言われるのは、養蜂1本で暮らしてゆくために、最低100群の飼育が必要だと言われます。
100群という数字をそのまま信じてみましょう。
私が使用している巣箱が正味、3万円ほどです。
1つの群に対して2~3段の巣箱を使用しますので、100群、300箱、900万円…
巣箱に投資した金額の合計が、900万円となる頃には安心が近づいている証拠かもしれません。
その間、巣箱の劣化などがあるとさらに投資するかもしれませんし、なんとも言えませんが。消耗品や投資備品などを加えると、少なくとも1,000万円は必要でしょう。
ちなみに、私の目標飼育数は200群です。
4人家族なのと、1次産業は浮き沈みがありますから…。
2,000万円投資するころには、安心かもしれません。ですが、200群の飼育を目指すとなると、かなりの数の蜂場が必要となります。
10か所あれば安心なのか、20か所あれば安心なのか。
少なくとも、「島」である以上、蜜蜂の行動範囲のほとんどは海です。
海で蜜蜂は暮らせません。
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少数群しか飼育できない「離島養蜂」。
小さな「上島町」。
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ハードルは高いほうが面白い。
山は高くなきゃ登り甲斐がない。
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波はジェットコースター。
落ちてゆくときは、ジェットコースター。
…
なんてことにならないよう、ゆっくり頑張りたいと思います。