秋祭り その2

こんにちは、ふじまき@弓削です。

 

週末は、初めて祭りに参加させていただきました。濃い3日間でした。

誰だこいつ?って感じだったと思うのですが、お祭りに誘ってくださった課長を始め、

地域の皆さまには良くして頂き、本当に感謝です。

 

ということで、今回は、私が参加させていただいた佐島の祭りの様子をお届けします。

 

 

10月8日(土) 8:30pm 前夜祭(よど祭り)

 

祭りの舞台である佐島八幡神社にて、御霊入れが執り行われます。

御霊を移す場所には、宮司さんとその年にお神輿を担ぐ人しか入れません。(なので、私は外から見学です)

宮司さんが祝詞を読み上げます。明かりが消され、いよいよ御霊入れです。

神様の姿を見ないようにするためらしく、儀式は明かりを消して静粛に進んでいきます。

 

と、突然。秋の夜の静寂を破る「コケコッコー」という声。同時に、太鼓と鐘の音が響きます。

 

なんでコケコッコーなのかしら?と思いつつ、「祭りの始まり」であることは感覚的に伝わってきました。

『千と千尋の神隠し』で神様が湯屋にやってくるシーンを思い出させるようななんとも明るく幸福な感じ。

 

さて、この神輿に御霊を入れる「御霊入れ」。通常は朝行われるのだそうです。

しかし、佐島ではなぜか夜に行うため、(言葉が正しくないかもしれませんが)神様に朝だと勘違いしていただき、

神輿に移っていただくために、「コケコッコー」と鳴くのだとか。

 

上島町の中でも、別の島では朝に御霊を入れるらしく、その違いが何とも興味深かったです。

(背景がよく分からなかったので、また分かりましたらお伝えします。)

 

明日は、早朝からだんじりが町をまわります。

 

 

10月9日(日) 8:00am 

 

いよいよ祭り本番!空も海も穏やかで、何ともすがすがしい秋晴れの朝。

 

餅まきの後、だんじりがお宮から出発です!

急な石段を大だんじり、小だんじり、神輿が降りていきます。男たちの顔、いきいきしてます。

 

佐島の味のある狭い路地を通り、海岸へ。

お清めのために、神輿が海に入ります。暮らしにも祭りにも、海は密着しているのですね。

寒そうだけど、みんな楽しそう。島の人たちも海岸線に集まって、ニコニコ。笑顔があふれます。

 

祭りは、島の人々にとって一番大切な行事。お正月よりも、お盆よりも、「祭り」なのです。

だんじりの周りでは、「ひさしぶり」「ご無沙汰してます」「大きくなったねぇ」の声が飛び交います。

  

 

だんじりを担く(「かく」と言います)男たちは、本当にいい顔してます。普段の優しい顔とはまた違う顔です。

だんじりを持ち上げることを「さす」というのですが、その様子は迫力満点。担き手のテンションもさらに上がります。

   

大人がこんなに夢中になっている姿、都会の子どもたちはなかなか目にしないのではないでしょうか。

 

子どもたちも負けていません。

小さな手で木のバチを握り、一生懸命、太鼓をたたき、大きな口で歌を唄います。

 

佐島では、だんじりを担きながら、「みよちゃん」「戦友」「ノーエ節」の3つの歌を唄うのですが、

子どもたちに、どの歌が好き?と聞くと、「簡単なのは、みよちゃんだけど、難しい戦友が好き」とのこと。向上心も高いのです。

 

 

そして、祭りを裏方で支えているのは、女性たちです。

だんじり、神輿を追いかけて、止まる場所で飲み物を振る舞います。食事の準備に、後片付け・・・ たくさんの仕事をされています。

 

おうどん、おいしかったです。

 

大人も子どもも関係なく、世代を越えて、同じ地域に暮らす人たちがみんなが夢中になって一つのことをしていくこと。

こういう経験って私自身なかったし、きっとあっても面倒だなぁと思ってしまったと思うけれど、島ではそれがとても自然なことに思えます。

そう思えるのは、島や地域に流れる空気感のせいなのかもしれません。

 

 

閑話休題。昼食を食べて休憩をし、17時から祭り再開です。

だんじりをお宮に戻します。急なお宮の階段を、今度は上ります。佐島の祭りの最大の見せ場です。

ここから、私もだんじり班に参加させてもらいました。

(地域によっては女性は担けないところもありますが、佐島では、夜の部は女性も担くことができます。)

 

これがほんとにしんどいのです。木の棒ですから、どう考えたって、肩が痛いのです・・・

でも、外で見ているのと、中でやってみるのとは、一体感・陶酔感が全然違います。

 

だんじりの中で、聞く子どもたちの歌声、太鼓の音、見上げる月、会場の熱気。

とても非日常で、オリエントで、ノスタルジック。

 

わたしの力なんて、ほんのちょっぴり(むしろ足をひっぱっているかも)なのですが、

それでも、こうやって人が集まって、みんなの力でこんなに重いものが上がるってことに、純粋に感動してしまうのです。

 

こういう経験がコミュニティの基盤になるのでしょう。

 

祭りは当日だけではなく、準備・練習があってこそです。

10代から60代オーバーまで、幅広い年齢のメンバーが協力して、成り立っています。

9月末から準備は始まります。日中の仕事や学校が終わった後、夜、神社や集会所に集まって、準備を進めていきます。

 

履歴書の職歴にも書けないし、資格にもならないけど、それぞれがそれぞれの役を果たしているのです。

そういうことが、本当に大事なのだと思いました。

 

さて、祭りの楽しみは何といっても、だんじりを担いた後に立ったまま飲むビールとおでん。これがまたうまいのです。

「これが好きなんよー」というおじさまの笑顔。見ていて、こちらも幸せになります。

 

翌日は、朝8時から片付け。祭りはまだ終わりません。

 

よう呑み、よう食べ、よう笑う。

シンプルなことを丁寧に。

 

ほんとに皆さま、お疲れさまでした。

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